退院日は
突然決まる
入院は準備の期間ではなく、準備の締め切りが決まる期間です。「退院できます」と言われてから動くと、間に合いません。
「まだ入院中だから」と待っていると、ある日「来週退院です」と言われます。そこから介護保険の申請を始めても、間に合いません。
入院してすぐやること
最初の1週間でやる
①病院の相談窓口の場所と担当者を確認する。多くの病院に「地域連携室」「医療相談室」などの窓口があり、社会福祉士や看護師が対応します。ここが最重要の味方です。
②親の健康保険証・介護保険証・お薬手帳を確認する。介護保険の認定を既に受けているかどうかで、その後がまったく変わります。
③高額療養費の限度額適用認定証を申請する。窓口での支払いを抑えられます。後からでも払い戻しは受けられますが、先に出したほうが手元の負担が軽い。
④キーパーソンを1人決める。病院からの連絡先。兄弟がいる場合、ここを曖昧にすると情報が食い違います。
⑤親の家の状況を把握する。誰も住んでいない期間ができるなら、郵便・光熱・戸締まり。
①を後回しにする人が非常に多い。「まだ聞くことがない」段階で顔を出しておくと、退院の話が出たときに動きが速くなります。
相談窓口はどこか
相談先は3つあり、役割が違います。使い分けると早い。
①病院の地域連携室・医療相談室。入院中の相談、退院後の療養先、在宅への移行。入院中はここが起点。
②地域包括支援センター。親が住んでいる地域の窓口。介護保険の申請、ケアマネジャーの紹介、地域のサービス情報。市区町村ごとに設置されています。
③市区町村の介護保険担当課。申請の受付、制度の確認。
いずれも無料で相談できます。「まだ介護が必要か分からない」段階でも相談して構いません。むしろその段階のほうが選択肢が多い。
介護保険の申請は入院中に
ここが最大の分かれ目です。介護保険のサービスを使うには要介護認定が必要で、申請から認定までには時間がかかります。
だから、退院してから申請したのでは、退院直後の一番大変な時期にサービスが使えません。
進め方:
・入院中に、地域包括支援センターまたは市区町村の窓口に申請する(家族が代行できます)
・認定調査は入院先でも受けられることがあります。病院の相談室に確認してください
・認定前でも、暫定的にサービスを利用できる場合があります。ケアマネジャーに相談
・主治医意見書は病院の医師が書きます。依頼を忘れないこと
「まだそこまでではない」と思っても、申請しておいて使わないのは自由です。使えない状態のほうが困ります。
保険外サービスの内容と料金を無料相談する
24時間365日対応。介護保険の認定を待たずに利用できる場合があります。相談は無料です。
- 相談・見積もりは無料の場合があります
- 掲載内容は各社公式サイトの公表値です
- サービス内容は地域により異なります
退院前に決める4つ
この4つが決まれば退院できる
①どこで暮らすか。自宅/子の家/施設/転院。ここが決まらないと他が決まりません。
②誰が世話をするか。家族/介護保険サービス/保険外サービスの組み合わせ。「家族が全部」は続きません。
③家をどう変えるか。手すり、段差、ベッド、トイレ、風呂。介護保険で住宅改修や福祉用具の貸与が使える場合があります。
④食事と薬をどう回すか。毎日のことなので、ここが崩れると全部崩れます。
②で最も多い失敗は、家族が抱え込むことです。最初の1か月は気力で持ちますが、それ以降が続きません。最初から外部を組み込んでおくほうが、結果的に長く支えられます。
③は退院前にケアマネジャーや福祉用具の担当者に家を見てもらうのが確実です。図面では分かりません。
お金の話
入院と退院後にかかる費用は、制度で軽減できる部分があります。知らないと申請しないまま終わります。
・高額療養費制度。1か月の医療費の自己負担に上限があります。限度額適用認定証を先に取得すると、窓口での支払いが上限までになります
・高額介護サービス費。介護保険サービスの自己負担にも上限があります
・高額医療・高額介護合算療養費制度。医療と介護の両方がかかった場合、年間で合算した上限があります。これは知られていません
・医療費控除。確定申告で。介護サービスの一部も対象になることがあります
・おむつ代の医療費控除(一定の条件と証明書が必要)
3つ目は特に、医療と介護が同時に発生する退院後こそ効く制度です。市区町村の窓口で確認してください。